駅にて

駅のホームで、先生はうさぎに声を掛けました。

「ねえ」

 

「こんばんは」
うさぎは言いました。

「渡したい物があって」

「これを食べさせてあげたくて」

先生は小さな袋を取り出しました。

「水を沢山吸った音符よ。きっと鯨が喜ぶわ」

さらさらと、袋の中で音符が動いています。

ふたりは試しに、
本の中の鯨に音符を食べさせてみました。

 

 

 

ざわざわと鯨たちがあつまり、
カチカチカチとそれぞれの歌を歌い始めました。

沢山の時計が一度に鳴っているようで、それはとても静かに夜の駅に響き渡りました。

 

 

 

 

<つづく>