一緒に居る

1時間ほど眠って、うさぎは目を覚ましました。

「あぁ、僕は眠ってしまったんだね」
「そうよ」
先生は答えました。

 

うさぎは先生の様子が変わっている事に気が付きました。
「君、どうかしたの?さっきまでの君じゃないみたいだ」

 

「私は、コーヒーで、お砂糖で、クジラで、雨に濡れた音楽よ」
とても優しい気持ちで、先生は答えました。

うさぎは目を丸くして、とても驚きました。
「僕の好きなものばっかりだ!」

ふたりは少しの間じっと見つめ合うと、にっこり笑いました。

暫くすると、外でぱらぱらと乾いた音がし始めました。

「星が降り始めた、一緒に見よう」
「ええ」
「ずっと一緒にいる?」
「ええ」

当たり前のように、先生は答えました。

時計の針の音が、静かにかちかちと夜に響き続けました。
懐かしい気持ちを、大きくて優しい夜のクジラたちがかき混ぜていました。

<おわり>

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コメント: 1
  • #1

    artK-R (水曜日, 27 7月 2011 21:59)

    お久しぶりです。こんばんは◎
    いつも楽しみに見ていました。終わってしまったのが、ほっとしたような、残念なような気分です。
    このお話が絵本になればいいのにな、と思います。

    また、ブログ、見せて頂きます◎